このブログではソムリエ・ワインエキスパート試験にチャレンジされる方を対象に
「毎回、もう+プラス1点」をとれる勉強のヒントをお届けしております。
今回のテーマは2次試験 テイスティング での 白ワイン 「香り」の考え方・です。
※前回に引き続きテイスティングの回答に絶対はありません。できるだけ多くのセミナーや教材に触れソムリエ協会が望む回答に近い答えができるよう感覚を調整していって下さい。
・第一印象
(選択肢)
□閉じている □控えめ □しっかりと感じられる □力強い
□チャーミングな □華やかな □濃縮感がある □深みのある □複雑な
基本的には「しっかりと感じられる」を選びましょう。ニューワールドのトロピカルなニュアンスのシャルドネや、パッションフルーツや草の香りがするようなソービニョンブラン、甘くスパイシーなゲヴェルツトラミネルなど、しっかりした香りがする場合はこれを選びましょう!
ただし、香りが弱めの旧世界のリースリング、シャブリなどのシャルドネ、甲州などが 出たと思ったら「控えめ」でも良いと思います。
他の選択肢もありますが、ここに関してはそんなに考えなくても良いかと(*´з`)
↓
↓
↓
・果実・ナッツ
(選択肢) 2~3個選びます
□柑橘類 □青リンゴ □リンゴ □洋ナシ □花梨 □桃 □アプリコット □パイナップル □メロン □パッションフルーツ □ライチ □炒ったアーモンド □ヘーゼルナッツ
解説に入る前に注意から( `ー´)ノ
・思いこんだ品種の特徴をチェックするのではなく、できる限り目の前にあるワインに集中して下さい!
・選択肢から2~3個とありますが、この数を間違わないように注意しましょう!もし4つなど選択する数をオーバーしてしまった場合、この問題は0点となってしまいます。複数選択する問題は全て同じシステムです。
ここからが本題です。パッと見てなんのこっちゃ分かりにくいですが
それぞれの選択肢をどのような場合に選べば良いのか書いていきますね(^_^)/
・柑橘類 (⇔ 洋梨)
→リースリング、ミュスカデ、甲州 に感じ取ることができる、「レモン」や「グレープフルーツ」などのニュアンスで基本的にはやや寒い地域の品種にみられます。これの反対が暖かい地域のニュアンスの「洋梨」です。対比して覚えておきましょう(/・ω・)/
・青リンゴ
→青くさい香りのするソービニョンブランや、一部の寒い地域の品種にみられるニュアンスです。ソーヴィニヨンブランだと思ったら「青リンゴ」と「パッションフルーツ」を機械的に選んでも良いでしょう。賭けですが...(-_-メ)
・リンゴ
→若くて軽めの白に使います。これといった特徴が感じられず迷った時は、とりあえずこれを選んでも良いかもしれません。
・洋梨
→熟度が高い(=よく熟れているな~)と思ったらこれを選びましょう。ニューワールドのシャルドネなど温暖な地域を思わせるちょっと色が濃い目のやつによくみられる特徴です。反対は寒い地域の「柑橘類」と覚えておきましょう!
・花梨
・桃
・アプリコット
→これは3つまとめていきます。基本的には暖かい地域のシャルドネやセミヨンなどにみられるニュアンスです。普通に生きてて「花梨」って実際に匂ってみる事は少ないと思いますが甘酸っぱい感じの匂いの事です。あと「アプリコット」とは杏仁豆腐の匂いと考えて良いそうです。甘さに応じて3段階に... 花梨 (=
控えめ) → 桃 (=もうちょい甘め) → アプリコット (甘め )というイメージだそうです。
理論的には↑ですが、素直に「桃の香りがするな~。」と思ったら桃を選べばいいのですよ(´_ゝ`)! アプリコット・花梨も同様ね。
・パイナップル
・メロン
・ライチ
→この3つは熱帯系で、かなり暖かい地域の品種です。特に3つともニューワールドのゲヴェルツトラミネルなんかに感じる事ができます。ヴィオニエ・ミュスカにも同じ事が言えるのですが、これらの品種はシニアの試験でもない限り出ないかと思います(=_=)
・パッションフルーツ
→これに関しては甘酸っぱく溌剌とした独特の爽やかさを持つもので特にソーヴィニヨンブランがそれに当てはまります。これも普段匂いを嗅ぐ事も少ないと思いますが、もし本当にどんな匂いか気になったら果物屋や百貨店のフルーツ売り場にGOです(; ・`д・´)!神戸在住の筆者はやたら某百貨店 大〇さん にはお世話になりました(笑)
・炒ったアーモンド
・ヘーゼルナッツ
→この2つに関しては 樽の利いたシャルドネ によくみられるニュアンスです。コート
ド・ボーヌ辺りのコッテリした白や、カリフォルニア・オーストラリアなどニューワールドでもその特徴が分かると思います。平たく言えば2つともナッツ系の香り!
↓
↓
↓
・花・植物
(選択肢) 1~2個選びます
□すいかずら □アカシア □白バラ □キンモクセイ □菩提樹 □ミント □ヴェルヴェーヌ
これに関してもれぞれの選択肢をどのような場合に選べば良いのか書いていきまっす!
・すいかずら
軽めの甘いフローラルな香り。白ワインの一般的な表現です。
「控えめな香りでイマイチ特徴にかけるな~」と思ったらコレを選んでもいいかと思います(@_@。寒い地域のシャルドネやリースリングなど大人しめのやつ。
・アカシア
前述の「すいかずら」と並んで一般的な白ワインの表現です。ただしこちらは、よりシッカリとした甘さを感じる場合に使います。
ワインにこれといった特徴がなく2つ選ばないといけない場合、「すいかずら」とセットで選んでも良いかもって感じ。
・白バラ
上品でフローラルな香り。リースリングやゲヴェルツトラミネルに感じられると言われています。筆者個人的にはフローラルな香りのリースリングに使うのが良いかと思います。
・キンモクセイ
甘ったるい香り。樽の効いたシャルドネなんかに出てきます。
これもイマイチ実生活では馴染みがないですが、トイレの芳香剤に使われていたりします。筆者は東急ハンズやロフトのアロマコーナーにこの香りを嗅ぎに行きました(笑)
・菩提樹
全く馴染みのない香りですね( ゚Д゚)!一般的にはリースリングに感じられると言われていますが、要はちょっとスーっとしたような独特な甘い香りです。ネットで調べていたら「インド雑貨屋に入った時のような匂い」という表現が出てきましたが遠からずかなと思います(笑)
・ミント
・ヴェルヴェーヌ
この2つは草っぽいニュアンスでソーヴィニヨンブランにみられる香りです。ミントは分かると思いますが、ヴェルヴェーヌはそれに加えてややレモンっぽいニュアンスを感じる時に使いましょう。実際に「ヴェルヴェーヌの香りがする!」なんて奴がいたらキモいと思いますけどね(-_-メ)
↓
↓
↓
・香辛料・芳香・化学物質
(選択肢) 1~2個選びます
□貝殻 □石灰 □火打石 □コリアンダー □香木 □白胡椒 □トースト □ヴァニラ □バター □ハチミツ □パン・ドゥ・ミ □硫黄 □ヨード □麝香
同じくどのような場合に選べば良いのか書いていきます(; ・`д・´)!
・貝殻
・石灰
・火打石
→この3つに関しては、白ワインのミネラル感を表現しています。特に一番使えるのが「石灰」でほぼどんな白ワインにも当てはまる一般的な表現です。もしこれといった香りがワインに無く、それなりのミネラル感を感じるのであれば追加で「貝殻」を。「火打石」は花火や燃焼した感じがあると言われています。もし近くにジッポライターを使う人がいたら火を付けてもらったりフリント(火打石)の部分のを見せてもらっても面白いかも(´_ゝ`) まぁ「火打石」を選ぶようなワインってあまり一般的ではないと思いますが、まれにソーヴィニヨンブランなんかにこの香りが出るようです。ホンマやろか...?
・コリアンダー
・白胡椒
これらは特にゲヴェルツトラミネルなどに感じられるスパイシーな香りです。
コリアンダーはこじゃれたスーパーなので売っているので試しに買ってみましょう!筆者は買って試験終了後もスープなどに入れてちょっとずつ使っていました(笑)
・香木
スーっとする木材の香りです。先ほどの「コリアンダー」と合わせてリースリングやソービニョンブランなどのハーブっぽい感じを表現するのにも使います。
ソーヴィニヨンブランだったら「石灰」・「香木」・「石灰」なんかで選んでも良いかも。もちろん特徴がある場合ね(´_ゝ`)
・トースト
パン・グリエ(パンを焼いた時の匂い)なんて言われますが、樽の効いたシャルドネなんかで感じる事ができます。実際この表現をよく使うのは瓶内二次発酵のシャンパーニュなのですが、さすがに試験では出ないと思います。 ...とかいって今年まさかの発泡系が初めて出題されたりして...(*_*)
・ヴァニラ
これに関しては樽の効いたシャルドネの甘い香りです。樽の木材からヴァニリンというヴァニラの香りの成分がしみ出すそうな。最近の研究では樽だけでなくワイン自体にも含まれるとありますが、その理屈だったらどのブドウもヴァニラの香りになってしまうような気も(-_-;) とりあえず樽ですよ!樽!
・バター
バターのような濃厚な香りは発酵中に生成されます。これまたコッテリまろやか系の樽の効いたシャルドネの特徴の1つです。
これも分かり易いと思います。
・ハチミツ
こちらもコッテリまろやか系の樽の効いたシャルドネの特徴の1つ。
「トースト」「ヴァニラ」「バター」「ハチミツ」ときましたが、樽の効いたシャルドネの特徴は非常に分かり易いですね。もし試験本番で出たらラッキーですよ。筆者の時は何の特徴も無いニュートラルなシャブリでしたが、ホンマなんやってんアレ...(-_-メ)
・パン・ドゥ・ミ
正確な意味は「パンの中身」ですが、 平たく言えば食パンの香りです。やさしいイースト感があるものを指します。試験ではあまり使う機会はないかと...。
・硫黄
温泉 や 卵 の匂いなどに使います。こちらも試験ではあまり使う機会はないかと...。
・ヨード
海や磯(いそ) の香りです。シャブリやミュスカデ、甲州でも一部この表現が使えるものがあります。甲州だと思ったら賭けでチェックしても良いかもしれません。確かにそんな香りのするワインもあるなぁとい
う感じです(-ω-)/
・麝香(じゃこう)
ムスクの香りと言われますが、はっきり言って筆者もよく分かりません(*_*)!ただソービニョンブランにこれを選べというセオリーがありますね。かなり特徴的な選択肢なので大正解か大間違いかです(笑) もしソービニョンブランだと思ったら、まだ「香木」くらいにしておけばリスクヘッジできるような気も...
↓
↓
↓
・香りの印象
(選択肢) 1~2個選びます
□還元的 □若々しい □熟成感が現れている
□第1アロマが強い □第2アロマが強い □ニュートラル □木樽からのニュアンス
これで香りも最後の項目です!同じく説明していきまーす!
・還元的
還元とは酸化の逆です。瓶内のワインの酸素がなくなり硫化水素などが発生して少し硫黄(温泉や卵)の匂いがする場合があるのですが、そんな状態のものに使います。試験ではあまり使わないと思います。
・若々しい
試験に出る白ワインは若いフレッシュなワインが多いのでコレを選んだらほぼイケるでしょう。ただ、やたら黄色かったりトロ―とした粘性があったら古いかもしれないので妄信的に決めつけないよう注意です(; ・`д・´)!
・熟成感が現れている
これに関しては難しいところです。筆者も何をもって熟成感のある香りなのかは正直ナゾです。ある程度古いものだと「木樽からのニュアンス」などもあるのでワイン自体の純粋な熟成感のある香りというのは判定が厳しいかと。まぁ古いワインを飲んで、匂いもマッタリしてるし、なんとなく古くって熟成してるのかな~。」程度です。ごめんね~。
・第1アロマが強い
ブドウ自体の果実味が押し出されているものにつかいましょう。リースリングやゲヴェルツトラミネルなんかに使えると思います。これは1次の勉強でやりましたね~。
・第2アロマが強い
これに関しては発酵に関連する香りですが白ワインのテイスティングではあまり使う事はないと思います。赤ワインではマロラクティック発酵を行ったバナナやキャンディーのような香りがするものを言うのですが...
・ニュートラル
特にこれといった香りの特徴がない場合に使います。寒い地域のシャルドネ(シャブリなど) はこれに当てはまります。2016年筆者が分からなかったのがフランスのシャルドネです。特徴が無いのが特徴だなんて何の禅問答かと(´Д`)
・木樽からのニュアンス
前述の「ヴァニラ」と同様に樽の効いたシャルドネの場合に選びましょう!ほんとシャルドネだったら楽なんですけどね~。
おまけ動画
今回はここまで~(@^^)/~~~
(筆者のボヤき)
うーん、長かった(´Д`)!5000文字ってアンタ....
何度途中で書くのをやめようと思ったか(笑)
次回は白ワインの「味わい」 を予定しております!