▼問題
①以下ホワイト・キュラソーの名称・説明の組み合わせとして正しいものは?
A:Cointreau - 仏パリ郊外で誕生した
B:Grand Marnier - 仏アンジューで誕生した
C:Grand Marnier - Triple Sec(=製法)を世に広めた
D:Grand Marnier - 自家製コニャックを原料としている
(ソムリエ教本2021 - 52ページ)
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▼答え
①以下ホワイト・キュラソーの名称・説明の組み合わせとして正しいものは?
D:Grand Marnier(グラン・マルニエ) - 自家製コニャック※を原料としている
A:X Cointreau (○ グラン・マルニエ) - 仏パリ郊外で誕生した
B:X Grand Marnier (○ コアントロー) - 仏アンジューで誕生した
C:X Grand Marnier (○ コアントロー) - Triple Sec(=製法)を世に広めた
※ブランデーの1つ。
今回は是非、歴史 をたどって頂きたい!!
(余計な話が多いですが、せめて青字は試験内容なので覚えるよう。文章が苦手な方は末尾の▼オススメ動画だけご覧ください。)
▼キュラソーの語源
まず、キュラソー(Curaçao)ってのはオレンジ果皮を使ったリキュールの事で、カリブ海に浮かぶキュラソー島に由来します。
大航海時代の...16世紀から17世紀にかけて、ヨーロッパ人の航海者たちはビタミンCの欠乏から壊血病になることが多かった。かれらがこの島に上陸すると(おそらくビタミンCを含む果実を食した結果)病気が治癒する者があったため、「治癒の島」(Island of Healing) という意味でポルトガル人は Ilha da Curação[イルハ・ダ・キュラソー] [6]、スペイン人は Isla de la Curación[イスラ・デ・ラ・クラシオン] [7] と呼んだという...
(また) ...ラム酒をベースにキュラソー産オレンジの果皮を用いたリキュールであるキュラソー酒の産地として有名。...
▼キュラソー酒の原料
で、本来「キュラソー酒」と名乗るからには、同島の ララハ(Laraha) とよばれる柑橘類(↑オレンジ)を使用するべきですが...
▼コアントローの歴史
(↑キュラソー酒が人気になってくると...)
フランスでは...
1849年、エドゥアール=ジャン・コアントローとアドルフ・コアントローがロワール渓谷地方のアンジェ(↓)にコアントロー・フレール(フランス語で「コアントロー兄弟」)という名の蒸溜所を建て、地元の果実 を使ったリキュールを作り始める。エドゥアール=ジャンの息子、エドゥアールは、完璧なオレンジリキュールを求め、何年にも及び研究を重ねた。
1875年、2代目のエドゥアール・コアントローが世界で最初の「Triple Sec(トリプル・セック)」の販売を開始する。
- Triple:濃縮されたオレンジのエッセンシャルオイルの量が3倍(=“トリプル”)。
- Sec:それまでのキュラソーや他のリキュールよりドライな風味を出すために砂糖の含有量を減らしている(=“セック”/フランス語で“ドライ”の意)。
後に類似品が多数出回りだしたため、("トリプルセック"って名前をやめて) 家名である コアントロー を商品名とした。
https://www.travel-zentech.jp/world/map/france/Map-Region-Pays-de-la-Loire.gif
▼グラン・マルニエの歴史
さらにフランスのパリ近郊で...
1827年、ジャン・バティスト・ラポストールがヌフル・ル・シャトー(@イル・ド・フランス地域=パリ近郊)に蒸留所を設立。優れたオードヴィー造りが評判となる中、1880年に息子ユジェンヌの婿養子ルイ‐アレクサンドル・マルニエ・ラポストールは、当時は貴重なオレンジとコニャックの組み合わせを思いつきます。コニャックの気品とビターオレンジの融合。比類なき名酒、グラン マルニエ コルドン ルージュの誕生です。
当時はPetit(プティ)と名付けるのがパリの流行でした。街へは“Petit amie(恋人)”と繰り出し、新聞の名は“Petit Parisien”…。そんな中、ルイの友人であったリッツホテル・パリのセザール・リッツ氏が、グラン マルニエ という名称を提案します。この英断は、当時の流行に逆らうだけでなく、彼の愛してやまなかったこのリキュールの“偉大なる(Grand=グラン)栄光”を約束することとなりました。
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▼ブルー・キュラソーが青い理由
ちなみに、ボルス(↓)のようなブルー・キュラソーってのもあるのですが...
キュラソーリキュールは、伝統的にララハの乾燥した皮で作られています。ララハは 苦いオレンジ 学名でキュラソー原産 柑橘類 × ダイダイ subsp。 currassuviencis.[1] スペインの探検家 苦いものをもたらした セビリアオレンジ ララハの祖先である1527年に島へ。[2][3] ララハの苦い肉は口に合わないが、皮は心地よい芳香がある。[4]
誰がいつ最初のキュラソーリキュールを開発したかは不明です。ザ・ オランダ西インド会社 1634年にキュラソーを所有しました。 ボルス 1575年にアムステルダムに設立された蒸留所は、西部と 東 蒸留飲料に必要な香辛料へのアクセスを保証するインド企業。
同社は、Lucas Bols(1652–1719)が、 アロマオイル そうでなければ役に立たない苦いオレンジの未熟な皮から抽出することができます。その後、ボルスはこのオイルをアムステルダムに輸出し、現在のキュラソーに似たリキュールを製造しました。ルーカス・ボルスは彼の製品に「錬金術の謎の要素」を加える傾向がありました...
https://ja.wikiqube.net/wiki/curaçao (liqueur)
▼中性スピリッツ = ニュートラル・スピリッツ =醸造アルコール
ついでに教本記載のキュラソーのベースとなる中性スピリッツとは...
中性スピリッツ(ちゅうせいスピリッツ)とは、醸造酒に対して蒸留を繰り返し行い、エタノールを95%以上に濃縮した蒸留酒のことである。ニュートラル・スピリッツ とも呼ばれる。
さらに言えば、中性アルコールとは日本酒(=清酒)に使われる 醸造アルコール のこと。アルコール添加(=アル添)って言いますね。こんなユルいことやってるのなら "日本酒風リキュール" って名乗って欲しい...
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▼まとめ動画
さてさて、よくまとまっています!!
[所要時間 : 5分23秒]
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▼オススメ書籍
今回取り上げたキュラソー島はカリブ海に浮かぶ1つの島でした。同じく中南米キューバの近代史と世界情勢が繋がる1冊です。普段気軽に飲んでいるキュラソーやラムの原料となるサトウキビにこれほどの重要性があったとは目から鱗。つい2~3日前に読んだばかりの本ですが、彼らの受難の歴史に思いを馳せ、葉巻でラム酒をあおりたい気分です。
以上