このブログではソムリエ・ワインエキスパート試験にチャレンジされる方を対象に
「毎回、もう+プラス1点」をとれる勉強のヒントをお届けしております。
今回のテーマはドイツの13特定栽培地域 (b.A. = Bestimmte Anbaugebiete ベシュティムテ・アウンバウゲビーテ) です。タイトル通り地図上での位置と特徴をおさえましょう!
まず本題に入る前に2016年のソムリエ試験の過去問をご覧下さい。
イタリアじゃねーか(; ・`д・´)!って、その通り。
筆者の主観ですが、ここ数年ソムリエ協会の問題は「浅く広く」知識を問う感じの問題にシフトしているように感じます。
ドイツもオイルツタイラーゲ(特別単一畑)や他の名醸地の畑などがありますが、そんな踏み込んだ内容よりも、ざっくりと13地域の概要を問うような問題が出るうような気がします(/・ω・)/
実際、筆者もドイツは深入りしないで、ある程度捨てていました(笑) ...といっても絶対に難しい問題が出ないとも言えませんけどね~。
長くなりましたが、前置きはこの辺にして、せめて今回の13個は石にかじりついてでも覚えるようにしておきましょう!
とりあえず、まず問題にチャレンジして「どんな感じで試験に出るか?」をつかみましょう! 後ほどポイントを解説致します。
面倒なら直接ポイント解説をご覧下さい。イラストを流し読みするだけでも勉強の足しになるかと思います。
それでは問題! (問題) 地図上の①~⑬の産地の名称を(あ)~(す)、特徴を(A)~(M)から選べ! 回答に入る前にまず河川などの地形を見ておきましょう('ω')ノ ドイツの産地を覚える上で大切なのは支流の名前です! 最初にソムリエ教本や市販のテキストなどで鼻息荒く各産地の特徴を読んでいくのですが、大きな河川やその支流の名前が分かっていないと説明がスーッと頭に入ってきません。なので、ここでハッキリさせておきましょう(/・ω・)/ まずドイツには大きく3つの河川があります。 ★ライン河 ・南のボーデン湖からお隣の国オランダに向けて流れています。 ・アール河・モーゼル河・ナーエ河などの支流はそのままワイン産地の名称になっています。 ・フランケンがあるマイン河 (ライン河の支流としては最長) はマインツという場所でライン河と合流します。 ・ヴュルテンベルクがあるネッカー河もライン河の支流の1つです。 ★ヴェーザー河 ドイツ中央を流れるヴェーザー河ですが、ワイン産地とのカラみがないので覚えなくてOKです。 ★エルベ河 これ自体は覚えなくても支流のザーレ河・ウンストルート河が頭に入ってればOK。 それでは、河川名が分かったところで解説に入ります(^_^)/ (問題) 地図上の①~⑬の産地の名称を(あ)~(す)、特徴を(A)~(M)から選べ! まず全体の地図です。 以下の赤字の特徴と地図上の位置を一致させましょう! ① (く) Ahr アール (M) Rhein(ライン)河の支流の小さい産地の1つ。通称「赤ワインの楽園」 赤ワインの比率は85%ほどでSpatburgunder シュペートブルグンダー (=ピノノワール) の栽培がさかんです。「楽園」で覚えよう(´_ゝ`)! ② (え) Mosel モーゼル (E) Bernkastel ベルンカステル は スレート岩盤(=粘板岩)土壌で急斜面。オルツタイラーゲ(=特別単一畑)が1つある 言わずと知れたモーゼルです!オイルツタイラーゲはドイツ国内に5つしかありませんが、その1つ 「Scharzhofberg シャルツホーフの山」 がココ。1ha あたりの最大収量が Elbling エルブリング というブドウ品種のみ 150 ヘクトリットルなどといった問題も見た事ありますが、そこまで意識しなくてもよいかと思います f^-^; ③ (お) Nahe ナーエ (L) Nahe(ナーエ)河周辺に広がる生産地 特に説明する事もありません(@_@。単純に位置だけを覚えましょう! ④ (あ) Mittelrhein ミッテルライン (L) Rhein(ライン)河沿いの細長い地域 栽培地のほどんどが急斜面にあるとのコトですが、ドイツは急斜面の産地も多いのでこれだけでは判断できません。単純に「細長い」で覚えましょう(゚д゚)! ちなみに「 ローレライ」 なんてたまに聞く名前ですが、このミッテルラインにある地名です。機動新世紀ガンダムXに「ローレライの海編」ってのがあるんですが知りませんよね...('ω') ⑤ (け) Rheingau ラインガウ (J) 高級リースリングの産地。オイルツタイラーゲ(=特別単一畑)が4つある ドイツのワイン産地としてはモーゼルと双璧をなすラインガウです。以前にご紹介した遅摘みの「シュペートレーゼ」の発見(1775年) や 房選りの「アウスレーゼ」の開発(1783年) のあった Schlos Johannisberg シュロス・ヨハニスベルグ= ヨハニスベルグ城 があるのがコチラ。覚えてますよね(;・∀・)? いちおう書いておきますが、オイルツタイラーゲは「Schlos Johhannisberg シュロス・ヨハニスベルグ=ヨハニスベルグ城」・「Schlos Vollrads シュロス・フォルラーツ=フォルラーツ城」・「Schlos Reichartshausen シュロス・ライヒャルツハウゼン=ライヒャルツハウゼン城」・「Steinberg シュタインベルグ = 石の山」の4つです。つまり城が3つと石1つ(-ω-)/ ⑥ (い) Rheinhessen ラインヘッセン (G) ドイツ最大の生産地。東と北の境界線は Rhein ライン河 とにかく最大というのが特徴!北からラインガウ→ラインヘッセン→ファルツと流れで覚えましょう(/・ω・)/ ⑦ (う) Pfalz ファルツ (K) ドイツで2番目に大きい産地。南部では黒ブドウの生産がさかん ドイツワイン全体の30%ほどを生産しています。 ⑧ (さ) Franken フランケン (D) ボックスボイテル型のボトルが有名。Main(マイン)河とその支流に広がる生産地 ちなみにボックスボイテル型とはこんなやつ! フランケンはW字みたいで名前も形も覚えやすい(^_^)! ⑨ (か) Hessische Bergstrase ヘシッシェ・ベルグストラーゼ (F) Heidelberg ハイデルベルク の北。ドイツで最も小さい生産地 ハイデルベルクって地名と最も小さいがキーワード! ⑩ (こ) Baden バーデン (H) ドイツで3番目に大きい産地。北側のHeidelberg ハイデルベルク からBodensee(ボーデン)湖までの細長い産地 特にボーデン湖がヒントです。名前と似てるので大丈夫ですね(*^_^*) ⑪ (す) Wurttemberg ヴュルテンベルク (I) ドイツ最大の赤ワインの産地。Neckar ネッカー河とその支流に広がる。バーデンと同じくドイツ最南端 前述のネッカー河と最南端ってのがポイント。南側の端が確かに並んでますね('ω') ⑫ (き) Saale-Unstrut ザーレ・ウンストルート (A) ドイツ最北の産地 ザーレ河・ウンストルート河周辺の産地です。 ⑬ (し) Sachsen ザクセン (C) ドイツ最東(北東)の産地。 おまけ こちらは以前に書いた記事ですが、地図を覚えるには透ける薄い用紙「トレーシングペーパー」で地図をなぞってみると便利です!詳しくはこちらをご覧下さい(=゚ω゚)ノ
[名称]
(あ) Mittelrhein (い) Rheinhessen
(う) Pfalz (え) Mosel (お) Nahe
(か) Hessische Bergstrase
(き) Saale-Unstrut (く) Ahr
(け) Rheingau (こ) Baden (さ) Franken
(し) Sachsen (す) Wurttemberg
[特徴]
(A) ドイツ最北の産地。
(B) Rhein河沿いの細長い地域
(C) ドイツ最東(北東)の産地
(D) ボックスボイテル型のボトルが有名。Main河とその支流に広がる生産地
(E) Bernkastel は スレート岩盤(=粘板岩)土壌で急斜面。オルツタイラーゲが1つある
(F) Heidelbergの北。ドイツで最も小さい生産地
(G) ドイツ最大の生産地。東と北の境界線はRhein河
(H) ドイツで3番目に大きい産地。北側のHeidelbergからBodensee湖までの細長い産地
(I) ドイツ最大の赤ワインの産地。Neckar河とその支流に広がる。バーデンと同じくドイツ最南端
(J) 高級リースリングの産地。オイルツタイラーゲが4つある
(K) ドイツで2番目に大きい産地。南部では黒ブドウの生産がさかん
(L) Nahe河周辺に広がる生産地
(M) Rhein河の支流の小さい産地の1つ。通称「赤ワインの楽園」回答とポイント解説