このブログではソムリエ・ワインエキスパート試験にチャレンジされる方を対象に
「毎回、もう+プラス1点」をとれる勉強のヒントをお届けしております。
このシリーズでは「流し読みで学ぶ過去問のポイント 」と題して、2017年度 の ソムリエ・ワインエキスパート試験 の過去問題からポイントを探っていきたいと思います。
ちなみに下のリンクはご参考まで。
【アドバイス】 過去問を解くにあたって...【3点】 - ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!
問題107 [日本酒]
蒸米、米麹、水の投入を分割し、酵母の増殖を図りながら仕込む日本酒の仕込み 方法は?
1. 段掛け法
2. 破精込み法
3. 速醸法
4. 山廃法
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正解は... 1. 段掛け法
ここで日本酒の製法について軽く触れておきたいと思います(; ・`д・´)!
まず、酵母 を サッカロマイセス・セレビシエ Saccharomyces cerevisiae などと呼んだりしますが、訳すと「スクロース(という糖分)を食べるやつ(菌)」という意味です!
...で、ワインでのブドウと違ってコメはそのままだと糖分が無いので酵母がアルコール発酵できません!
...なので、いったんコメのデンプンを糖分に変える糖化という作業が必要です!
これを行う為に、コメを蒸したものに麹(こうじ)菌をふりかけます!よく、麹(こうじ)や米麹(こめこうじ)なんて言いますが菌の力を使ってコメのデンプンを糖分に変えようとしているものなのです( `ー´)ノ
実際の映像を見たい方はコチラ!
https://youtu.be/ay0GLeSH4WM?t=302
そして糖化ができたら、次にその糖をアルコールに変化させるものを作ります。
それが酒母(しゅぼ)=酛(もと)と呼ばれるものですが、これはコメを蒸したもの(=蒸米)に乳酸を多く含む酵母を大量に培養したものです。
この酒母に含まれる酵母の働きによって、やっとこさアルコール発酵が可能になるのです(´_ゝ`)!
話を戻すと、
まず麹(こうじ) で 「デンプン→糖」 に変えてから、
次に酒母(しゅぼ)に含まれる酵母で 「糖→アルコール」 に変えるといった
非常に面倒な事をやっているのが日本酒です(; ・`д・´)!
ただ、実際この一連の流れは糖分の濃度が高すぎる状態では酵母の働きが悪くなるので一気に行わずに低温でじっくりと数回に分けて同時並行的に行われます。これを並行複発酵というので覚えておいて下さい(´_ゝ`)!
そして、問題の「段掛け法」とは
このプロセスを3回に分けて行う事です!
先ほどの
酒母(しゅぼ) をベースに...
→糖をアルコール発酵する働きをもつ!
以下の原料を加えていきます。
麹(こうじ)
→コメのデンプンを糖化する働きをもつ!
蒸米(むしごめ)
→菌が繁殖するのに適度な水分量になる為に蒸す(38%~40%)。(食用のご飯のように「炊く」と水分が多すぎ(65%~70%)て不向き)
仕込み水
→とりあえず水と考えてok!
上図の右にあるように
酒になる前段階のものを
醪(もろみ) と呼び、3回の仕込み(原料の追加)によって完成させます。
1回目を...
「初添(はつぞえ)」
2回目を...
「仲添(なかぞえ)」
3回目を...
「留添(とめぞえ)」
と呼ぶ事を覚えてきましょう( `ー´)ノ
この完成した醪(もろみ)を搾り、ろ過・加熱殺菌・火入れ・割水・熟成などをして日本酒がめでたく完成するわけです!
敢えて省略しましたが「踊り」なんて言葉の意味が分からない方は調べてみて下さい!ソムリエの方は「3次試験の論述」で説明を求められたりするかもしれませんよ~( 一一;)
あ...、あと、こんな動画を見て勉強への抵抗を無くしておいても良いかも...。後編では「踊り」の答えも紹介されています!
[日本酒ができるまで - 前編]
[日本酒ができるまで - 後編]
今回はここまで!
次回も引き続き「日本酒」からです。