このブログではソムリエ・ワインエキスパート試験にチャレンジされる方を対象に
「毎回、もう+プラス1点」をとれる勉強のヒントをお届けしております。
このシリーズでは「流し読みで学ぶ過去問のポイント 」と題して、2017年度 の ソムリエ・ワインエキスパート試験 の過去問題からポイントを探っていきたいと思います。
ちなみに下のリンクはご参考まで。
【アドバイス】 過去問を解くにあたって...【3点】 - ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!
問題108 [日本酒]
品種改良されることなく、江戸期から栽培されてきた希少な品種で、晩稲らしく、 よく熟して水分が多く、味わいにボリュームが出やすい特徴をもつ酒造好適米は?
1. 山田錦
2. 五百万石
3. 美山錦
4. 雄町
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正解は... 4. 雄町
今回はまず問題文中にある「晩稲(おくて)」と対義語の「早稲(わせ)」という言葉の意味から始めましょう( `ー´)ノ
早稲(わせ)
通常より実が早く成熟する草木
4月ごろに植えて8月末ごろに収穫
↕
晩稲(おくて)
通常より実が遅く成熟する草木
6月ごろに植えて11月に収穫
この2つは米だけでなく他の植物にも使う表現です!そういや早稲田大学って良い名前ですね~(´_ゝ`)
...で、次に酒米(=酒造好適米)に向いた米についてですが
心白(しんぱく)が適度に大きいとうのがポイント!
この白い部分が柔らかくなっていて、麹(こうじ)菌を仕込む時などに菌が米に侵入しやすくなるためなのです(; ・`д・´)
麹菌が何なのか?ってのは前回の記事をご覧下さいm(_ _)m
流し読みで学ぶ過去問 2017年 107 : 日本酒の「段掛け法」 - ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!
で、そろそろ具体的な酒米(=酒造好適米)についてご紹介します!
新設のJ.S.A. SAKE DIPLOMA認定試験 だったら100品種くらいは覚えたいところですが、ソムリエの日本酒に関しては4品種だけでOKです( `ー´)ノ
山田錦
やまだにしき
酒米の生産量として1位
(2015年 農林水産省データ)
言わずと知れた酒米の王様!
生産の約8割は兵庫県
晩稲(おくて)の品種
ちなみに山田錦はクキが長くて倒れやすく栽培は難しいそうです。それでも栽培量が1位なのは、獲れる米の質がよっぽど日本酒造りに向いている証拠ですね(´_ゝ`)
五百万石
ごひゃくまんごく
酒米の生産量として2位
(2015年 農林水産省データ)
山田錦と肩を並べる2大酒米!
新潟県で寒冷地向けに開発された...
早稲(わせ)の品種...
味は淡麗(=さっぱりしてクセが無い)
やはり寒い地域だと、まだ暖かい季節に収穫してしまう早稲(わせ)品種のほうが都合が良いのですね~。ちなみに、やや小ぶりで精度の高い精米(=米を削る≒雑味を減らす)しずらいので「高級品が作りにくい!」とうのがコイツの欠点。
美山錦
みやまにしき
酒米の生産量として3位
(2015年 農林水産省データ)
元々は長野県で開発され
心白出現率が高く
耐寒性が高く東日本で栽培される
これに関しては放射線(ガンマ線)をゴリゴリに当てて開発されているので、やってる事はポケモンとさして変わりません(笑)
元々は「信放酒1号」(信濃≒長野県で放射線を当てて造られた酒第1号)という名称でしたが、いつしか(...というか1978年に) こんな「美山錦」なんて誰もが放射線とはイメージ出来ないようなキレイな名前が付けられました(´_ゝ`)!
ちなみに「美郷錦(みさとにしき)」って品種は山田錦とこの美山錦の交配です。
放射線育種の利用例 (08-03-01-09) - ATOMICA -
雄町
おまち
品種改良されることなく
江戸時代から栽培されてきた!
もともとは岡山が発祥の
晩稲(おくて)の品種
これが問題の正解でした!歴史のあるこの品種、実は穂が倒れにくい短稈渡船(たんかんわたりぶね)という雄町の系統が山田錦のルーツともなっています。
なんかややこしくなってきましたが、岡山・江戸時代・晩稲くらいがポイント(´_ゝ`)!
今回の4つをまとめるとこんな感じ!
詳しく知りたい方は一度以下をチェックしてみて下さい。
...といってもあんまり深入りし過ぎないように(; ・`д・´)!
あと、この動画もオススメです!
今回はここまで!
次回も引き続き「日本酒」からです。