ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!

独学での勉強方法をご紹介。オリジナル問題集や過去問を解いていただきながらポイントを解説します。


【体験レポート】ソムリエ試験2次(2022年) 〜 読者Q様より その②「テイスティング」


ご覧いただくにあたっての注意当ブログの情報の正確性をご確認下さい。もし間違いを発見された方は他の受験生の皆さまの為にもご指摘下さいますようお願い申し上げます。訂正履歴 ['24.2.15 更新]

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▼前回からの続き

 

 

開始直後、受験者は素早い動きで

いっせいに、ヨーイ、ドン。

 

猛烈な勢いで紙をめくる音。

シャーペンを書く時のカサカサした音。

周囲の気迫におされる。

 

…が、まずは落ち着ついて

さっき思いついたアタリ(↓で後述)に沿って進めるのみ!

 

・・

・・・

 

▼試験結果速報より

ここで正解を示しておきます。

Q様の「試験中の思考」をたどってみましょう。

 

・・・

・・

 

▼全体の見立て(≒アタリをつける)

 

そのアタリ(↑)とは、さっき着席した時から手前にある

ワインの外観から見立てていたもの。

 

ワイン① 、やや黄金色?

樽ドネ(=樽系のシャルドネ)か?

 

ワイン②、淡い色調。

 

ワイン③ 、濃い系キター!

 

グラスの縁(ふち)の色を凝視。

これは「(若めの)紫がかった」か?

 

実はこの最初の時点で

思い込み(≒バイアス)発生。

 

「超ど真ん中、フランスシラー。

もしくは難易度高めならマルベック?」

 

前日の最終確認では

やや熟成した(古めの)オレンジ系を予想し…

・ネッビオーロ

・サンジョベーゼ

・テンプラ

・グルナッシュ

…を比較テイスティングしていたが

これは完全に肩透かし。

 

続いて、ワイン以外のお酒に目が移る。

 

その他①、 無色透明 

 

その他② 、コーラ色

「協会はシェリー推しだからトゥニー?」

 

このわずかな待機時間で

「いかにイメトレできるか?」が勝負の決め手。

 

いざ開始して始めたことは

マークシートの選択個数(自分の回答)を

コメントシート(=持ち帰れる問題用紙)に書き写しておくこと。

 

ちなみにエキスパートでは

①と②のワインで選択肢の個数が違ったそう。

自分なら同じにしてたかも。あぶねー。

(終了後にSNSを観て知りました。)

 

さあ、いつも通り

今度は外観から細かくみていこう!

 

▼ワイン①白(正解は仏シャルドネ)


①澄んだ、輝きのある、

レモンイエロー、イエロー?

照明が暗いと色調が違くて分からん!

 

とりあえず中間点狙いで

レモンイエローとイエローに。

 

香りはうっすらだけど

樽&MLF感。

トースト、ヴァニラ、乳製品のニュアンス。

 

アメリカ色(≒濃い)じゃないからフランス?

味わいはニュートラル(≒スッキリ)系。

 

でもここで

至極個人的な注意ポイント。

 

この冷えた提供温度から深読みして

ソーヴィニョン・ブランなどの可能性も。

(実際、グラスが曇るくらい冷えていた)

 

いやいや、しかし

やっぱり味わいからして素直にシャルドネだ!

アリゴテだったらごめんね〜。

 

ビンテージは2年前。Alc 13.5% に。

 

▼ワイン②白(正解は独リースリング)

 

②澄んだ、輝きのある、

グリーンがかってる?

やはり照明でわかんないよー汗

 

またまた中間点狙いで

レモンイエローとイエローに。

でも冷涼産地っぽい。

 

澄んだ感じは高山系トロンテス

もしくは甲州?

 

ここで、自分の中での選択肢を広げて香ってみる。

 

青リンゴ、ライムのような冷涼のリースリング?

いやいや、待てよ。そんな簡単じゃないはず。

ゲヴェルツトラミネール?

まだ薄い系ヴィオニエだって外せない。

 

ここでも個人的な注意ポイント。

最近のリースリングでは

ペトロール香の石油っぽさは感じづらい(詳細な理由は↓)

www.winereport.jp

 

微妙な香りは一旦オフフレーバーとして無視し

独特なさわやかな青リンゴ感があったらリースリングとしている。

 

もっとも、テイスティングの数と質を上げれば

リースリングのペトロールもシッカリと感じれるかもしれないが

これが現時点での僕の能力と力量を踏まえた最適解。

 

ちょっとアルコール度数高め?

結局13-13.5%のアルザスのリースリングに。

 

▼ワイン③赤(正解は豪シラーズ)

 

③濃い!コメントも同系一直線。

縁(ふち)の紫色から

チリ臭、ユーカリ臭どんな香りがするかなー?

 

黒系果実の回答をベースに

樽系も加えておこう。

 

澄んだ、輝きのある

紫がかったダークチェリーレッド、濃淡濃い

粘性やや強い、成熟度が高く、濃縮感が強い。

 

香りは開いている

カシス、ブラックベリー、ブラックチェリー

スミレ、牡丹、シナモン、ナツメグ、甘草

第一アロマが強く、木だるからのニュアンス。

 

味わい、Alc13.5-14% アタックやや強い

まろやか、酸味なめらかな、タンニン力強い

 

バランス力強い、アルコールやや強め

(↑間違えて中程度)

 

余韻やや長い。

 

評価、成熟度が高く豊か

17-20度、グラス大ぶり

デカンタ必要なし、2019(樽熟だから3年くらい前?)

 

味わいはタンニンがまぁまぁ。

オーストラリア系のユーカリ臭。シラーズ。

 

▼その他④(チリのピスコ)

その他④、 焼酎苦手だからなー。

これテキーラじゃん。

キルシュじゃないはず。

 

この時点でピスコはアウトオブ眼中。

ピスコ→田崎会長の昔の発言は忘却の彼方に。

 

ちなみにマズい。

黒糖焼酎とホワイトラムって

どんな違いだっけ?と脳内再生。

 

▼その他⑤(ドイツのイエーガーマイスター)

 

その他②、コーラ色だから事前に復習した

トゥニーあたり?と思うもコーラっぽい味。

 

チナールと悩むが

以前飲んだ時カンパリっぽさから

イエーガーに。

 

▼回答が一通り終了後

 

ワインはおかわりできないけど、

水は挙手すればおかわり可。

 

もうこの時点で③が空っぽ。


「おい、これは試験だぞ。

試飲会じゃないんだぞ。

お前、なんでそんな顔真っ赤にしながら飲んでんだ?」

 

…と聞こえんばかりの

刺さるような視線を感じながら

水をおかわり。

 

終了後も最後まで

空になったグラスの香りを嗅いでました。

それでも、しっかり残るユーカリ臭。

 

▼会場を出る時のショック

前後して申し訳ないですが

これは試験終了後の話。

 

会場を出た後、

周囲の方が全然違う葡萄品種で答え合わせをしているのです。

これには頭が真っ白になりました。

ここから夜の営業に入るまで記憶がありません。

 

ホントに悲しくて悲しくて

涙ながらにホテルを出て職場に向かいました。

 

17:00の発表で少し持ち直しましたが

それでもマークシートに正しく記入できているか不安が拭えません。

 

今だから偉そうにこんなことを言ってますが

落ちてそうな気がしているのでまた来年も頑張ります!

(2日経ちましたがそれでもまだ不安で心配で涙が出てきます。)

 

(次回に続く:話を少し戻して論述へ