このブログではソムリエ・ワインエキスパート試験にチャレンジされる方を対象に
「毎回、もう+プラス1点」をとれる勉強のヒントをお届けしております。
このシリーズでは「流し読みで学ぶ過去問のポイント 」と題して、2017年度 の ソムリエ・ワインエキスパート試験 の過去問題からポイントを探っていきたいと思います。
ちなみに下のリンクはご参考まで。
【アドバイス】 過去問を解くにあたって...【3点】 - ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!
問題112 [酒類概論]
次のコニャックの生産地区のうち、最高品質と言われている産地は?
1. Grande Champagne
2. Fins Bois
3. Petite Champagne
4. Bons Bois
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解は... 1. Grande Champagne グランド・シャンパーニュ
今回も基本的なところからいきましょう!
コニャックと兄弟分のブランデー「アルマニャック」を比較しながらご説明していきたいと思います( `ー´)ノ
まずコニャック・アルマニャックの位置ですが...
フランスの下(南)からボルドーを挟んで...
A→B→C の順番です!
A:アルマニャック Armagnac
B:ボルドー Bordeaux
C:コニャック Cognac
覚えやすいですね~(´_ゝ`)
で、コニャックとアルマニャックの違い・共通点ですが...
まずアルコール度数から!
コニャックのアルコール度数は40度であるのに対してアルマニャックは46度~48度とアルマニャックの方がアルコール度数が高いです。
よく「コニャックよりアルマニャックの方が荒々しい!」なんて言いますが単純に度数が高いってのもあると思います(-ω-)/
次に製法(蒸留方式)です。
コニャックは
単式蒸留で2回ですが
アルマニャックは
連続式蒸留で1回※です
※1972年よりアルマニャックも単式蒸留2回が認められてはいますが通常は連続式蒸留器と考えて下さい。
ソムリエ教本や市販の参考書だと↑程度の説明しか書かれていません(+_+)
これではちょっと分かりにくいと思うので、どんな蒸留器なのかイラストや動画を見て下さい。
まずコニャックの単式蒸留器から!
・醪(もろみ)とは蒸留する前の酒の母体のこと。
・原理的には小学生の時に理科の実験でやった「蒸留」と同じです。
・この仕組み自体は紀元前から使われていました。
・アルコール度数は1度目の蒸留で (醪[もろみ])約7度→約20度、2度目の蒸留で約70度に達します。
・動画:コニャックの蒸留
Simple Video of Distilling Cognac - YouTube
↕
続いてアルマニャックの連続式蒸留器!
・1826年ごろに発明された単式蒸留器の進化版!
・一気にアルコール度数 約90度 を得る事が可能です。
・動画:アルマニャックの蒸留
The Armagnac Alambic - shorter version (2 min) ©BNIArmagnac/www.armagnac.fr - YouTube
コニャックは1回1回 醪(もろみ)を釜にセットしないといけないのに対してアルマニャックは醪(もろみ)を循環させながら1発で大量に蒸留できてしまうワケです(; ・`д・´)!
ただ、連続式蒸留器が便利なのは良いのですが高いアルコール度数を抽出すると香味成分まで飛ばされてしまうという欠点があります。
しかーし(; ・`д・´)! アルマニャックでは連続式蒸留器を使いながらも抽出時のアルコール度数を52度と低めに設定することで、実はコニャックよりも繊細な味をキープするように工夫しているのです。
French Speciality - Armagnac | euromaxx - YouTube
続いてブドウ品種です。
これに関して試験的にはコニャック・アルマニャックともさほど違いはありません!
ユニ・ブラン
Ugni blanc
フォル・ブランシュ
Folle Blanche
コロンバール
Colombard
...しいて言えば、ユニ・ブランはフランスで一番栽培されている白ブドウだという事を覚えておきましょう!(フランスの全品種でいえば2014・2015年で1位メルロ、2位グルナッシュの次です!)
ユニ・ブランのシノニム(別名)も要チェック!
(仏) サンテミリオン・デ・シャラント
Saint Émilion des Charentes
(伊) トレッビアーノ
Trebbiano
コニャック・アルマニャックともユニ・ブランの酸味が重要だそうな(´_ゝ`)
最後に熟成年数の表示です。
基本的にコニャックもアルマニャックも様々な収穫年のものをブレンドして造られています!
そして熟成年数に関してはブレンドした中で1番若いものの熟成年数を表記するように決められています。
ちなみに、ソムリエ教本や他の参考書では「単一の収穫年で造られたものがアルマニャックにはありコニャックには無い!」とされていますが、一般的でないだけでそうでもなさそうです...(-_-メ)
で、そろそろコニャックの産地をみていきましょう!
その前に、実はコニャックは...
シャラント Charentes 県の
コニャック Cognac 市といった
市(し)の名前です( `ー´)ノ
元々コニャック市は「塩」の交易で栄えた町でした。古くからイギリスやドイツなど海外との繋がりがあって蒸留技術が伝わり、ある人がワインを保存がきくよう蒸留して輸出したら大ヒット→世界的なブランデーの産地となったのでした(; ・`д・´)!
で、試験的には特徴的な3つの産地の名前・位置を覚えて下さい(-ω-)/
最高品質のもの
Grand Champagne
グランド・シャンパーニュ
※シャンパーニュという名前はシャンパーニュ地方と同じく石灰質の土壌だというところからきています!高級感の出る素敵な名前ですね~。
面積最大のもの
Fins Bois
ファン・ボア
Fins=終わり Bois=林 で、さしずめ「末林(すえばやし)さん」ってとこでしょうか...。
面積最小のもの
Bois Ordinaires
ボア・オルディネール
Ordinaires=普通の という意味
地図上では広いですが、実際に栽培している面積は少ない!
最高級とか最大とか最小とか試験に出やすいキーワードです(´_ゝ`)!
ついでに、シャンパーニュと名の付く、グランド・シャンパーニュ(50%以上)とお隣のプティット・シャンパーニュをブレンドしたものを フィーヌ・シャンパーニュ Fine Champagne と言います!
頭の片隅に留めておいて下さい(-ω-)/
《参考資料》
コニャックとアルマニャックの違いの解説動画です。ヘネシーとかマーテルとか確かにコニャックの方が大手がやってるイメージですね~。
連続式蒸留器のイメージ動画です。
見れば納得!
時間があれば是非みていたただきたい動画!
コニャックのドキュメンタリーです。
今回はここまで!
次回も「酒類概論」からです。