今回は先日のニュージーランドの続き。
◆ウォームアップ - 「六時のガブ飲み」
まず、さわりに調べてて面白かったのが、NZ・豪でも米の禁酒法(1930-33)ほどではないけど、six o'clock swill (シックス・オクロック・スウィル) という言葉 (略して『6時のガブ飲み』) があって、1920年ごろ~1960年代まで バーなど酒が飲める施設は5時オープンで6時(=18時)までの1時間しか営業できないという規制があった(; ・`д・´)!
だから国民はこぞって酒を6時までにガブ飲み。でも、酒の消費量自体はあまり変わらなかったそうな笑
ちなみに、これは豪の当時の映像。同じ法律が施行されていたのでイメージ動画です。これはこれで楽しそうですね...笑
まぁ、米の禁酒法と同じく道徳上の施策として は うまくいかなかったんだけど、法令が終わり営業時間が延長、そこにBYO(ビーワイオー=Bring Your Own=ワインの持ち込み)の制度なんかが普及したおかげで国民がワインに注目する1つの流れになったそうな。
当時は旅行客が増え始めてたのに、この法令。せっかくの外貨獲得のチャンスを逃してた笑
↑試験的に全然役に立たない知識だけど、1930年ごろって世界的にこういった禁欲的な運動が盛んな時代だったって知っておいて(-ω-)/
さ、続きをいきましょう!
9 ワイララパ
以下グラッドストーン・マーティンボローはこの地図を参照!
o)・首都ウエリントンの北東。国内を代表するピノ・ノワールの産地。マーティンボロー(GI)、グラッドストーン(GI)、マスタートンの3つのサブリージョンがある。
NZ全体での3%程度の生産に過ぎないにもかかわらず質の良いワインを生み出すピノの名産地(; ・`д・´)!
10 グラッドストーン (↑ワイララパ内サブリージョン)
r)・ワイララパのサブリージョンであるマスタートンの南側に位置。
ワイララパ北部のマスタートンとグラッドストーンは西隣にある山脈 タラルア・レンジの影響で雨や冷たい風・湿気がさえぎられやや温暖(いわゆる「フェーン現象」ってやつ)。かたや南部のマーティンボローなどは山脈より海の影響を受ける冷涼な海洋性気候。
11 マーティンボロー (↑ワイララパ内サブリージョン)
a)・日本人の造り手のパイオニア「クスダ・ワインズ」が所在するマーティンボロー・テラス地区、ドライ・リヴァー地区、テ・ムナ・テラス地区などがある。
昔、この辺一帯↑は東に流れるフアナルア・リヴァーの河床だった。↑地図のAta Rangi アタ・ランギ なんて有名ですね(´_ゝ`) ドライ・リヴァー地区、テ・ムナ・テラス地区は教本に地図も載ってないから出ないんじゃないかな~(適当)
そういや、ブドウ畑が川の近くにあると川がラジエーター的な役割をして気温が安定するというのがありまっす。「熱しにくく冷めにくい」という水の安定感よwww。ブドウ畑も車やバイクと変わらんのや~(雑)
ENGINE COOLING | How It Works - YouTube
12 マールボロ
c)・ブドウ栽培面積は国内最大。ソーヴィニョン・ブランが栽培面積の8割を占める。豪州マーガレット・リヴァーのワイナリー 「ケープ・メンテル」のオーナー デヴィッド・ホーネンが1985年に「クラウディ・ベイ」の名でソーヴィニョン・ブランを生産→世界的な成功をおさめる。日本人のキムラ・セラーズも進出。
大切なのはNZワインの大半はここでできているという事実!
で、NZのソーヴィニョン・ブランは革新的だった。南アフリカは味を似せる為に胡椒を添加したってエピソードは笑えます。(2019教本 P586)
↓見たことあるかな?筆者は二次試験の勉強で飲んだ思い出が...(´_ゝ`)
(追記) 以下3つのサブリージョンも覚えておいてね~。
それぞれの特徴は
ワイラウ=(ボディーが) 強め
サザン=柔らかめ
アワテレ=冷涼なので酸がシッカリ
13 ネルソン
k)・マールボロの西側に位置。ビールに用いられる「ネルソン・ホップ」の重要な産地
ちなみに↑ネルソンの左側の海をオーストラリア南東部から広がるタスマン湾(タスマン海の一部かと)呼ぶよ。
サッポロがこんな商品を出してますね。教本の「ネルソン・ホップ」とは個別の名称ではなくネルソンでつくられているホップの総称かと。
List of hop varieties - Wikipedia
ちなみに、ホップは元々ビールを造るのに清澄や保存の目的で使われていた。いつしか醸造の技術が進歩してその必要性が無くなったんだけど、ビール独特の苦みや風味付けを行う為にホップを使う慣習のみが残ったってわけだ(; ・`д・´)!
ギリシアのレッチーナの「松やに」(←もともと フタ目的) など酒にはそんなエピソードも多い。目的や本質ではなく「おまけの特性」が残るって概念ね。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1988/95/8/95_8_550/_pdf
14 カンタベリー
n)・1978年、生産者セント・ヘレナがクライストチャーチ北部にブドウの木を植えるも80年代半ばまで栽培は困難かと思われていた。最大3つのGIが重なる。
とりあえず「クライストチャーチ」ってキーワードで判断しよう。この前、銃乱射事件があったとこ。ご冥福をお祈りします。
15 ノース・カンタベリー (↑カンタベリー内)
p)・GI審査中。ワイパラやワイカリ地域を含む最も生産者が集中しているカンタベリーの北側。
↑ちなみにワイカリはワイパラの北側にあって地質がチョーク質なのでミネラリーなワインができる。
16 ワイパラ・ヴァレー (↑カンタベリー ・ ノース・カンタベリー内)
f)・最初にブドウの樹を植えたのは「ペガサス・ベイ」と「ダニエル・シュスター」。1970年代にドイツから移住したクライストチャーチのリンカーン大学でブドウ栽培を教えていたダニエル・シュスターがピノ・ノワールの栽培を推奨した。
ダニエルは世界を飛び回るコンサルタント、いわゆる フライングワインメーカーの1人。↓話を聞くとガッツのあるオッサンって感じ。
Daniel Schuster Winery | Waipara New Zealand
17 ワイタキ・ヴァレー・ノース・オタゴ
h)・カンタベリーとセントラル・オタゴとの境界となるワイタキ川南岸に沿う産地。「Ostler(オスラー)」や「Valli(ヴァリ)」などがある。
日本だとインポーターはラックさんが取扱いしてますね。旨い!
ラック・コーポレーション|ニュージーランド/南島/ノース・オタゴ
18 セントラル・オタゴ
i)・世界最南端のワイン産地の1つ。COPNLがCOPNCを開催。ギブストン・ヴァレー、ベンディゴなど7つのサブリージョンがある。
特に、ここのピノを世界に売り出しているマーケティング団体の会社 COPNL コプネル=Central Otago Pinot Noir Limited や、消費者イベント COPNC = セントラル・オタゴ・ピノ・ノワール・セレブレーション というキーワードに注意。「CO」でセントラル・オタゴってピンとくるように(; ・`д・´)!
ここの7つのサブリージョンに関しては今後取り上げる予定です。
[追記 2019.04.14 Sun]
補足しておきます!
◆概要 - 南緯・世界での生産量・ワイナリー数・輸出割合など
ニュージーランドの南緯は 35~45度
ちなみに、オーストラリアは11-45度
ワイン生産量は世界16位くらい
輸出の86%を占めるの品種はソーヴィニョン・ブラン。
輸出全体だと(2016年の実績では)バルクワインが3割を超えた
↑2019年の教本のデータとは違うので注意!
概要をとらえていただきたいだけでっす。
http://www.oiv.int/public/medias/6371/oiv-statistical-report-on-world-vitiviniculture-2018.pdf
NZは価格的にも頑張ってる!
1キロあたりの価格は4位と健闘。
ブランドを確立してるね~(´_ゝ`)
SA's wine exports as share of total wine exports in the world - South African Market Insights
で、国内のワイナリー数は677
長期でみると生産者数やワイナリー数は安定してる。
栽培面積が増えてきている & ブドウの価格も上がってきている
→ブランド力が高い!
↓2017年調べ
https://www.nzwine.com/en/news-media/statistics-reports/new-zealand-winegrowers-annual-report/
スクリューキャップの普及率は99%以上
豪 クレア・ヴァレー(南オーストラリア州)の生産者 ジェフリー・クローゼット が2000年ヴィンテージから先導しNZにも普及。
勉強してるかな?
◆見落としがちなGI3つ
今回勉強した18GIの他にも実は、
・ニュージーランド(国自体)
・ノース・アイランド(北島)
・サウス・アイランド(南東)
...って3つのGIが認められています(; ・`д・´)!
ほらね。こーゆーのがあるのよ。
ちなみに、これらの18+3GIを認めるのは
IPONZ (ニュージーランド知的財産局)
IPOは Intellectual Property Office の略!
◆SB・PNの台頭してきた年代
ソーヴィニョン・ブランは80年代から
マールボロの「クラウディ・ベイ」が代表的。
ピノ・ノワールは90年代末から
セントラル・オタゴの「フェルトン・ロード」が一世を風靡。
サブリージョンは バノックバーン。
その後、2004年 南アフリカがNZのスタイルのSBにあこがれ醸造工程でグリーンペッパーを添加する事件が発生(笑)
これか。教本では名前まで触れないところに優しさを感じる。逆に飲みたい( 一一;)
◆首都・主要都市
首都がウエリントン。北島ワイララパの近く。
クライストチャーチは南島カンタベリーに。
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雑談を多めに交えながらいきましたが、とりあえずこんな感じ。
次回は復習に使える地図なんかを書こうかと考えています。
【編集後記】
昨日↑映画を観てきました。
挫折・努力・新しい発想など...人生がにじみ出ていて同じ商売人として身につまされるところが多々。特に自営の方には是非ともみていただきたい作品です。
上を目指す。そして誰にも真似できない個性を身につける。
言い方は失礼ですが、まさか山形の片田舎にある喫茶店(カフェバー)が、世界的なカクテルを生み出し、また全国から人が押し寄せる店になるなんて↑以外の何ものでもありません。
マーケティングの『模倣不可能性』なんて言えば軽々しいですが、1つだけでもズバ抜けて光る何かがあるというのが非常に大切。皆さんは試験に通った後、どのような戦略で生き残りをはかりますか?(ソムリエ限定)
最近、こんな定額制の店・サービスも増えてきていますね。
数人のソムリエがワインのセレクトをブラックボックス化する日も近いかも。
最近はやりの本グリッドでは、成功の条件は 一直線上にはなく、むしろ複数の線が絡み合って成立するとのこと。ま、何でも頑張った事が全然違う分野って活きるって事も多いわね 笑
別にワインの勉強でも何でもいいんだけど「目の前の課題を 懸命に 必死にこなす」ってのがいつか役に立つはず。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
以上