このブログではソムリエ・ワインエキスパート試験にチャレンジされる方を対象に
「毎回、もう+プラス1点」をとれる勉強のヒントをお届けしております。
このシリーズでは 2016年度 の ソムリエ・ワインエキスパート試験 の過去問題からポイントを探っていきたいと思います。
基本的に赤字の部分は頭にいれておいて下さい。最後に復習のテストを行います( `ー´)ノ
問題044 [スペイン]
スペインで最も多く栽培されている黒ブドウ品種は?
1. Garnacha Tinta
2. Bobal
3. Tempranillo
4. Merlot
↓
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↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解は...
3. Tempranillo テンプラニーリョ
Temprano (テンプラノ) が 「早熟の」という意味で「早く育つブドウ」って感じ。Temporary (テンポラリー) 「一時的」 とかの Temp って時間に関する概念なんでしょう。これとは逆でピノ・ノワールはドイツではシュペート・ブルグンダーと呼ばれて「遅く実るブルゴーニュ地方のやつ」って意味。「早い」とか「遅い」とか名前ってけっこう短絡的に付いてるもんですね~(´_ゝ`)
スペインのブドウ品種で「最も多く栽培されている」ときた場合、
全てのブドウ品種(白ブドウ+黒ブドウ)では白ブドウの アイレン ですが、
黒ブドウだけだと、この問題のように テンプラニーリョ となります。
フランスでも、全ブドウだと1位は白のユニ・ブランですが、黒だけだとメルローって感じですかね。同じひっかけみたいなやつです。
それでは、今回はスペイン全体での特徴的なブドウについておさえておきましょう( `ー´)ノ
ここで少し腕試しをしていただきたいのですが、以下のブドウについて太字のキーワードは分かりますか?
・アイレン
→産地
・マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ
→有名な発泡性ワイン
産地
3つのブドウの味の違い
マカベオの別名
近年↑ワインに使用可能になった品種2つ
・パロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテル
→有名な酒精強化ワイン
産地
↑の95%を占めている品種
↑甘口の品種(2つ)
・アルバリーニョ
→産地
(黒ブドウ)
・テンプラニーリョ
→以下5つの地域での別名
・ラ・マンチャ
・カタルーニャ
・リベラ・デル・デュエロ(2つ)
・トロ
・マドリッド
・ボバル
→産地
・ガルナッチャ
→原産地
フランスでの別名
・モナストレル
→産地
フランスでの別名
・カリニャン
→別名
どうですか?
ちょっとマニアックなのもありますが、スペインのブドウ品種に関してはほぼ全部試験に出る内容です。
もし分からなかった方はラッキーです。この機会に覚えておきましょう(-ω-)/
1・(白ブドウ) アイレン
→産地 は ラ・マンチャ
前述ですがスペインで白・黒合わせて1番栽培されている品種。このラ・マンチャは1つの原産地呼称を作るワインのエリアとしては世界最大です!
ドン・キ・ホーテの話の舞台でもあります。
2・(白ブドウ) マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ
→有名な発泡性ワイン の カバ(CAVA) に使います。
→産地 は カタルーニャ州 の ぺネデス が中心
最近はスペインからの独立運動が起きてましたね。
→近年↑に使用可能になった品種2つ
シャルドネ と ピノ・ノワール
世界に迎合するのがどうなのか...これらを使ったのも美味しいけどね~( 一一;)
→3つのブドウの味の違い
チャレッロ=酸味
マカベオ=フルーティー&さわやか
パレリャーダ=花の香り (フローラル感)
とある生産者の方に聞いたら、パレリャーダは「幸せになれる感じ」らしいです(笑)
→マカベオの別名
ビウラ
筆者は「マカベ→ビウ...」 って覚え方をしました。
3・(白ブドウ) パロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテル
→有名な酒精強化ワイン → シェリー
→産地 → へレス
有名な3つの町の名前なんてものありますが、今回は大枠でご容赦下さい(笑)
→↑ワインの95%を占めている品種
パロミノ
これだけが辛口!
→(3つのうち)甘口の品種(2つ)
モスカテル と ペドロ・ヒメネス
単一の甘いワインなんかもよく見ますね~。
4・(白ブドウ) アルバリーニョ
→産地 → リアス・バイシャス
大西洋側の地方です。リアスは小学校で習った「リアス式海岸」のリアスの意味!何故かめっちゃ試験に出てきます(笑)
5・(黒ブドウ) テンプラニーリョ
→以下5つの地域での別名
↓に地図があるので安心して読み進めて下さい!
・ラ・マンチャ
センシベル
・カタルーニャ(州)
ウル・デ・リュブレ
・リベラ・デル・デュエロ(2つ)
ティンタ・デル・パイス
ティント・フィノ
(地名)リベラ・デル・デュエロとは「デュエロ河のとこ」って意味です。リオハに並ぶワインの名醸地。ちなみにデュエロ河はポルトガルのポートワインを作る産地 ドウロ まで繋がってます。デュエロ⇔ドウロ で名前が似てますね~。
・トロ
ティンタ・デ・トロ
リベラ・デル・デュエロの少し西側にあります。
・マドリッド
ティンタ・デ・マドリッド
言わずと知れたスペインの首都。ちょっとソムリエ試験では影が薄いかな...。
まとめると↑です。特に センシベル、ウル・デ・リュブレ、ティンタ・デル・パイス あたりを覚えてればいけるのではないかと(; ・`д・´)!あ、リオハを通る エブロ河 も軽く頭に入れておいて下さいね。
6・(黒ブドウ) ボバル
→産地 → バレンシア州
ワインとしては濃くてタンニン(=苦み)が強いイメージ。バレンシアオレンジの原産はここではなくカリフォルニア州だという...( 一一;) スペインワインてイタリアと比べると地味なイメージ。
7・(黒ブドウ) ガルナッチャ
→原産地 → アラゴン州
→フランスでの別名
グルナッシュ
8・(黒ブドウ) モナストレル
→産地 → ムルシア州・バレンシア州
→フランスでの別名
ムールヴェードル
ムールヴェードルと聞いて、仏プロヴァンス地方のバンドールが浮かんできたら実力派(; ・`д・´)!
9・(黒ブドウ) カリニャン
→別名 → マスエロ
マスとかカリとか下ネタで覚えていただければいいんじゃないでしょうか。
あと、以前にもご紹介しましたが
カバのブドウ3種は「マ・チャ(ッ)・パ」→ マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ
シェリーのブドウ3種は「パ・モ(ッ)・ぺ」→パロミノ、モスカテル、ペドロ・ヒメネス
...と覚えると楽です。
細かいところはすっ飛ばしましたが、スペインのブドウ品種に関してはこれくらい勉強しておけば大丈夫かと思います (´_ゝ`)
それではいつも通り復習しておきましょう!
練習問題
1・テンプラニーリョの名前の語源は?
2・スペインの全ブドウ中、栽培面積が最大なのは?
3・スペインの産地で1つの原産地呼称のエリアとして世界最大なのは?
4・最近カバに使用が認められた黒ブドウは?
5・カバに使用されるブドウ品種の中で特に酸味をもたらすブドウ品種は
6・ビウラの別名は?
7・シェリーの95%に使われているブドウ品種は?
8・アルバリーニョを使ったワインの産地でスペインで有名なのは?
9・テンプラニーリョ を センシベル と呼ぶ地域は?
10・テンプラニーリョ を ウル・デ・リュブレ と呼ぶ地域は?
11・バレンシア州は 地中海側 or 大西洋側?
12・フランスのグルナッシュはスペインでは何と呼ばれているか?
13・スペインでのモナストレルはフランスでは何と呼ばれているか?
14・カリニャンの別名は?
15・地図中の1~7に当てはまる地名(州名)を答えなさい!
分からなかったらやり直し!
内容をしっかり読み返してね~(-ω-)/
おまけ
R.I.P小林先生。素晴らしい教材だけに今年から見始めてショックを受ける方も多いかもしれませんね。
[Sommelier For Free ワイン講座 第13回:スペイン]
イビザとか最高らしいです。行きたい..orz。
[Top 10 Tourist Attractions in Spain]
今回はここまで!
次回も引き続き 共通問題[045] スペイン (ワインの熟成期間) からです。