ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!

独学での勉強方法をご紹介。オリジナル問題集や過去問を解いていただきながらポイントを解説します。


【アメリン&ウィンクラー?】ワイン産地の気候区分を学ぶ真意とは?【やや難-2問】


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今回はワイン産地における気候区分について。

まず問題にチャレンジしてみて( `ー´)ノ 2問だけ!

 

(2019年 ソムリエ教本 9-10ページより)

【問1】EU では 栽培地域の特性 により産地をゾーン別に分け、それぞれに規定を設けているが、Zone B は どのエリアか?

1:フランス (ロワール、アルザス、シャンパーニュ等)

2:フランス南部、イタリア、スペイン

3:ギリシャ、キプロスの一部、ブルガリアの一部

4:フランス(コルス等)、イタリア南部、スペイン、ポルトガル、ギリシャの一部、キプロス

 

【問2】[アメリン&ウィンクラー博士によるワイン産地の気候区分] によれば、日本(山形) はどれ?

1:Region Ⅰ

2:Region Ⅱ

3:Region Ⅲ

4:Region Ⅳ

5:Region Ⅴ

答え

【問1】EU では 栽培地域の特性 により産地をゾーン別に分け、それぞれに規定を設けているが、Zone B は どのエリアか?

以下答えを含めて...

      ドイツ → Zone A

1:フランス (ロワール、アルザス、シャンパーニュ等) → Zone B

      フランス (ボルドー、ブルゴーニュ等)、イタリア北部、スペイン → Zone C-Ⅰ

2:フランス南部、イタリア、スペイン → Zone C-Ⅱ

3:ギリシャ、キプロスの一部、ブルガリアの一部 → Zone C-Ⅲ(a)

4:フランス(コルス等)、イタリア南部、スペイン、ポルトガル、ギリシャの一部、キプロス → Zone C-Ⅲ(b)

 

↓こうやって見たら分かり易いね~(´_ゝ`)

European Union wine growing zones - Wikipedia

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・・・

 

【問2】[アメリン&ウィンクラー博士によるワイン産地の気候区分] によれば、日本(山形) はどれ?

1:Region Ⅰ → ドイツ など

2:Region Ⅱ → フランス (ボルドー)、イタリア北部、アメリカ (Ca 北部) など

3:Region Ⅲ → フランス南部、イタリア中部、アメリカ(Ca 中部)、日本(山形)

4:Region Ⅳ → イタリア南部、スペイン、ポルトガル、アルゼンチン、オーストラリア(南オーストラリア州 アデレード)、日本(甲府) ※ここも注意( ゚Д゚)! など

5:Region Ⅴ → イタリア(シチリア)、南アフリカ など

 ※↑雑に書いてあるのでちゃんと知りたい方は教本で確認下さいm(_ _)m

 

Winkler index - Wikipedia

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ちなみに、これは4月1日~10月31日までの1日の平均気温が10℃を上回った日の温度の合計積算温度って書いてあるけど、こんな地味な計算を繰り返して求めた数値です(-ω-)/ ↓

 

(例えば) 太字=平均気温

4/1 13℃ → 13℃-10℃=3℃を積算の合計に加える

4/2 9℃ → 10℃を超えてないのでノーカウント!

4/3 15℃ → 15℃-10℃=5℃を積算の合計に加える (前回の3℃も足して→積算で8℃)

4/4 12℃ → 12℃-10℃=2℃を積算の合計に加える (前回までの8℃も足して→積算で10℃)

...10/31まで続く...

 

身近な国内 (東京) のデータで考えるとイメージ的にこうなります!

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【ワイン産地の気候区分を学ぶ真意とは?】

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とまぁ、ここまでだと一過性のデータを覚える作業に過ぎません(; ・`д・´)!

なので試験は終わったら瞬殺で忘れることでしょう。覚える意義も分からないしね~ (笑)

 

ここで分かり易く何故このようなデータが重要になったのか? その流れ寸劇で解説します!

 

(1976年 以前)

フランス「ワシらのテロワールは最高や!見てみい、この土や環境。ブルゴーニュ、ボルドーの良さは どこの国にもマネなんかできんのや!」(強気)

新興国「グヌヌ...(-_-メ)」

(1976年=『パリス審判』でアメリカがフランスに勝利)

アメリカ「フランスワインも大した事ないやんけ!」

新興国・研究者「フランスさんはたいそうに土とか環境とかテロワールとかぬかしとったけど、実は大したことないんちゃうやろか?」

アメリカ・各国の研究者「アメリン と ウィンクラー とかいう学者が年間の気温で考えろゆーとる。これで大体いけるんとちゃうやろか?」←★今回のテーマ

(1980年代~)

アメリカ「衛星でロマネ・コンティに似た土地探すで~」→カリフォルニアのピノで有名な「カレラ」が誕生

ニュージランド「学者に研究させるで~。あ、マーティンボローは土壌も気候もブルゴーニュとそっくりらしいな。」

日本「ニュージランドさんが成功しとる。ウチでもマネできるはずや。せや、国際品種のメルロで勝負や。」

新興国「全然イケるやんけ!」

(近年)

フランス「アカン、今まで余裕ぶっこいとったけど、新興国がどえらい頑張っとるやんけ。おかげでワシらのワインは値段が高くて売れんくなってきた (弱気)。せや、ラングドックとか安い地域で対抗や!」←今ココ!

 

とまぁ、こんな感じ。

 

つまり気候区分や土壌調査(地質学)ってのは

70年代のパリス審判でフランスのテロワールの呪縛が解け、とりわけ高級なワイン用ブドウを扱う産地が国際化に向かう為の1つのツールだったという事です(; ・`д・´)!

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...って内容は↓に書いてあるんだけど超オススメ。世界の流れが分かります。

最近は「これを読まずしてワインや酒を語るな!」とまで言いたい。

麻井宇介 著作選

 

 

【編集後記】

www.news30over.com

今回の記事は↑の18に影響されています。

たまに天才がいるから、まとめサイトはやめられぬ (´_ゝ`)

 

kabumatome.doorblog.jp

こちらも非常に分かり易い。

 

追記 2019.06.29 土

www.youtube.com

↑ボルドーのおじさんも「最近はチリにおされて...」と嘆く。

 

以上