ソムリエ・ワインエキスパート試験に絶対に合格したいアナタへ!

独学での勉強方法をご紹介。オリジナル問題集や過去問を解いていただきながらポイントを解説します。


数年前からニュージランドのGIが 【10→18】に増えてるけどカンペキだよね?【前編】


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えー、今回はニュージランドGIについて。

去年(2018年)は試験にセントラルオタゴのサブリージョンなんかが出て細かくなってきてるうえに、数年前から追い打ちをかけるようGIが増えた模様( 一一;)

毎年勉強する量が増える=合格するのが後になるほどキツい。楽して獲った以前の資格者保持者がムカつきますね。

 

では、いってみましょう!

ちょっとT先生の問題集風

=おいマジかよwww( ゚Д゚) てくらいパンチのある問題でっす。紙とペンがないと解けないかも。ぬるま湯時代に合格した腕に覚えのある卒業生たちよ!最近の受験生はこのレベルを勉強しているのだよ。ブハハハ。

 

【問題】

ニュージランド・ワイングロワーズがニュージランド知的財産局(IPONZ)に申請し2018年9月時点で登録済み=10、通過・登録待ち=7、審査中=1 の合計18GIについて地図より場所・名称・特徴を選びなさい!

あえてカタい感じで問題を書きました。スマホの方は地図を保存 → 写真のアプリとブラウザを切り替えながら見てね。

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(選択肢)

ワイタキ・ヴァレー・ノース・オタゴ / ノースランド / ネルソン /マタカナ /ギズボーン / マーティンボロー / カンタベリー / ワイヘケ・アイランド / セントラル・オタゴ / オークランド / ノース・カンタベリー / ホークス・ベイ / ワイパラ・ヴァレー / グラッドストーン / マールボロ / クメウ / セントラル・ホークス・ベイ / ワイララパ

 

(特徴)

※答えになってしまいそうな箇所は〇〇にしてます。

※(数年前までの)簡単に分かりそうなキーワードは極力排除しました。

a)・日本人の造り手のパイオニア「クスダ・ワインズ」が所在する〇〇・テラス地区、ドライ・リヴァー地区、テ・ムナ・テラス地区などがある。

 

b)・麻井宇介の「ワインづくりの思想」の執筆に影響を与えたメルロのワイン生産者「プロヴィダンス」が有名。

 

c)・豪州マーガレット・リヴァーのワイナリー「ケープ・メンテル」のオーナー デヴィッド・ホーネンが1985年に「クラウディ・ベイ」の名でソーヴィニョン・ブランを生産→世界的な成功をおさめる。日本人のキムラ・セラーズも進出。

 

d)・ストーニーリッジ・ヴィンヤードの長期熟成タイプのボルドーブレンド「Stonyridge Larose(ラローズ)」は有名。ほか「Cedalion(セダリオン)」 (シャルドネ / シラー)を造るサム・ハロップがある。

 

e)・〇〇の中でも南半分の地域。北半分より冷涼で石灰岩質土壌。

 

f)・最初にブドウの樹を植えたのは「ペガサス・ベイ」と「ダニエル・シュスター」。1970年代にドイツから移住したクライストチャーチのリンカーン大学でブドウ栽培を教えていたダニエル・シュスターがピノ・ノワールの栽培を推奨した。

 

g)・クロアチア移民が多く、生産者「〇〇・リヴァー」の醸造責任者マイケル・ヴラコヴィッチは国内発のマスター・オブ・ワイン。

 

h)・〇〇と〇〇との境界となる〇〇川南岸に沿う産地。「Ostler(オスラー)」や「Valli(ヴァリ)」などがある。

 

i)・COPNLCOPNCを開催。ギブストン・ヴァレー、ベンディゴなど7つのサブリージョンがある。

 

j)・シャルドネの生産が盛ん。以前は1960年代からドイツのヘムート・ベッカー博士の指導でミュラー・トゥルガウが積極的に栽培されていたが、1986年以降減少→姿を消す。

 

k)・ビールに用いられる「〇〇・ホップ」の重要な産地

 

l)・1819年、サミュエル・マースデンがケリケリにワイン用ブドウを植樹。1836年、ジェームス・バズビーがワイタンギのブドウ畑から国内初のワインを造る。

 

m)・1902年、レバノン移民 アシッド・エイブラハム・コーバンが郊外に土地を購入 → 1909年よりワイン販売を開始。ダルマチア地方(クロアチア)からジョジップ・ペトロフ・バビッチなどの移民がワイン産業の基盤を整える。

 

n)・1978年、生産者セント・ヘレナがクライストチャーチ北部にブドウの木を植えるも80年代半ばまで栽培は困難かと思われていた。最大3つのGIが重なる。

 

o)・国内を代表するピノ・ノワールの産地。〇〇(GI)、〇〇(GI)、マスタートンの3つのサブリージョンがある。

 

p)・GI審査中。ワイパラやワイカリ地域を含む最も生産者が集中している〇〇の〇側。

 

q)・ワイナリーはネイピア、ヘイスティングに集中。ナルロロ川沿いにギムレット・グラヴェルズ・ディストリクト、ブリッジ・パ・トライアングルの2つの有力なブドウ栽培地がある。

 

r)・〇〇のサブリージョンであるマスタートンの南側に位置。

 

【答え】

1 ノースランド l)

2 オークランド m)

3 マタカナ b)

4 クメウ g)

5 ワイヘケ・アイランド d)

6 ギズボーン j)

7 ホークス・ベイ q)

8 セントラル・ホークス・ベイ e)

9 ワイララパ o)

10 グラッドストーン r)

11 マーティンボロー a)

12 マールボロ c)

13 ネルソン k)

14 カンタベリー n)

15 ノース・カンタベリー p)

16 ワイパラ・ヴァレー f)

17 ワイタキ・ヴァレー・ノース・オタゴ h)

18 セントラル・オタゴ i)

 

【解説】

難しかった?

ニュージーランドはおととし(2017年)くらいからマニアックな博士の名前などが試験にフツーに出るようになってきてるので注意(; ・`д・´)!

※キャノピーマネージメントを導入したリチャード・スマート博士 (2019年教本P579)のこと。

 

...って事で変なキーワードも増えるかも。

今回の内容は転ばぬ先の杖です。

 

 

それでは1つずつ見ていきましょう。

 

1 ノースランド

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l)・1819年、サミュエル・マースデン(神父) が ケリケリ にワイン用ブドウを植樹。

1836年、 ジェームス・バズビー (=オーストラリアワイン用ブドウ栽培の父) がワイタンギのブドウ畑から国内初のワインを造る。

産地としては地味だけど歴史的に重要!もうマースデンとかバズビーの話はいいよね。で、北島でも北のほうだけど、入植の時代からブドウ畑はジワジワと南下していったイメージを持とう( `ー´)ノ 南半球は南の方が寒いしね。南下するたびに「まだいける?- まだいける?」 みたいなチキンレースだった。

Samuel Marsden - Wikipedia 実は羊毛(ウール)業界にも貢献。

James Busby - Wikipedia 実はNZ初のワイン誕生はオーストラリアのブドウ栽培が生産的になるより先。意外 (´_ゝ`)

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そういや、ワイタンギもケリケリも北のオーストラリアからパッとこれる島の北側にあるよね~

 

ちなみに、NZが英国の自治領となるのは1852年、独立国となったのは戦後の1947年です。

以外に国としての歴史は浅い!

 

2 オークランド

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m)・1902年、レバノン移民 アシッド・エイブラハム・コーバンがオークランド郊外に土地を購入 → 1909年よりワイン販売を開始。

また、ダルマチア地方(クロアチア)からの移民 ジョジップ・ペトロフ・バビッチなどがワイン産業の基盤を整える。

どちらも馴染みのない名前ですね~。が、それぞれ コーバンズワインバビッチワイン としてどちらも現存。残念ながらコーバンズの方は経営権が2000年から身売りされて紆余曲折ぎみ。創業の地は両者とも↑ヘンダーソン・ヴァレーかと。

Corbans - Wikipedia

Red & Whites Wines from New Zealand | Auckland Pinot Noir Region (バビッチ)

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Corban, Assid Abraham – Dictionary of New Zealand Biography – Te Ara

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Babich, Josip Petrov – Dictionary of New Zealand Biography – Te Ara

よく「移民がワイン造りを支えた」っていうけど、そもそも移民しかワイン造れないよね?笑

 

3 マタカナ

↑オークランドの中ね。

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b)・麻井宇介の「ワインづくりの思想」の執筆に影響を与えたメルロのワイン生産者「プロヴィダンス」が有名。

このプロヴィダンスの畑ってのが、ワイン造りのテロワールとしては理想的とは言えないもののワインの出来が凄く良かったみたいで衝撃的だった。

 

(いちおう。。。)

↓「夏は曇りが多く、日照時間は少なく、熱帯地方からの湿気を含んだ空気が吹き込みました。通常、これらの条件は連続的な雨」云々。

https://www.amazon.co.jp/Providence

 

で、日本の生産者に「テロワールは絶対じゃないよ。NZのプロヴィダンスみたく努力すれば日本でもいいワインは作れるよ!」って広めて今日(こんにち)の日本ワインのレベルアップに貢献したってわけさ( `ー´)ノ

ワインづくりの思想 銘醸地神話を越えて (中公新書)864円

 

4 クメウ

同じくオークランドの中。

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g)・クロアチア移民が多く、生産者「クメウ・リヴァー」の醸造責任者マイケル・ブラコヴィッチは国内発のマスター・オブ・ワイン。

彼の造る評価の高いシャルドネは上品でクラシックなヨーロッパのスタイル。ニューワールドの樽を効かせまくったバターっぽい濃いやつとは違う!...らしい。あ、噂ですが日本人がマスター・オブ・ワインをとるには渡航費も含めて4千万ほどかかるそうです。あと、試験を受ける為に頻繁にアチラにいくのでよほど自由がきく仕事でないと難しいとのこと( 一一;) マジか。

Collections - Kumeu River Wines

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名前の「〇〇ビッチ」ってクロアチアらしいね~。ちなみにビッチとは「〇〇の子ども」という意味。〇〇ジュニアと同義。↓サッカークロアチア代表もビッチ多し!笑 (=あのビッチではない)

https://pbs.twimg.com/media/Dh19SNJUwAAb2pj.jpg:small

 

5 ワイヘケ・アイランド

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d)・美しい景観を持つリゾートの島ストーニーリッジ・ヴィンヤードの長期熟成タイプのボルドーブレンド「Stonyridge Larose(ラローズ)」は有名。ほか「Cedalion(セダリオン)」 (シャルドネ / シラー)を造るサム・ハロップがある。

ちなみに、ストーニーリッジ・ラローズはイギリスでは世界のトップ10カベルネに入るほどの評価。お値段は1本16000円くらいから。高級品(; ・`д・´)!

Stonyridge Larose - オーストラリア、ニュージーランド、ワイン、タスマニアマスタード、ヴァイアンドカンパニー

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サム・ハロップはマスター・オブ・ワインを世界最年少(31歳)で合格したワインコンサルタント。実は日本酒業界も大変お世話になっておりやすm(_ _)m ↓

サムハロップ氏の紹介

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やっぱリゾートでもワイン。やたらシュッとしたお2人。

www.youtube.com

  

6 ギズボーン

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j)・ニュージランド最東シャルドネの生産が盛ん。以前は1960年代からドイツのヘムート・ベッカー博士の指導でミュラー・トゥルガウが積極的に栽培されていたが、1986年以降減少→姿を消す。

現在の栽培が盛んなシャルドネはおいといて歴史に目を向けよう(-ω-)/

このヘムート・ベッカー博士がミュラー・トゥルガウって流れは、在籍していたドイツのラインガウにあるガイゼンハイムブドウ育種研究所にミュラー・トゥルガウの生みの親ヘルマン・ミュラー博士がパイセンだったのが影響っぽい。何にでも流派ってあるよね~。

あと、ミュラー・トゥルガウどんな土地でも育てやすいものの酸度が低いため良いワインは作りにくいってか大量生産のスイートワイン向けだった。茎が小さいため寒さに弱く、ドイツでは1979年の寒波で大きな被害が出た後に下火になってきている。ま、時代がを重視した辛口志向に変化したってのもあるか。。。

Helmut Becker - Wikipedia

Geisenheim Grape Breeding Institute - Wikipedia

ミュラー・トゥルガウ - Wikipedia

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ところで、ミュラー・トゥルガウの交配はOK?

 

7 ホークス・ベイ

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q)・栽培面積2位。メルロ、シラー、カベソーの3品種は国内生産の88%(2016年)。ワイナリーはネイピア、ヘイスティングに集中。ナルロロ川沿いにギムレット・グラヴェルズ・ディストリクトブリッジ・パ・トライアングルの2つの有力なブドウ栽培地がある。

川の感じとか造られているワインのタイプとかちょっと寒めのボルドーって感じ。ちなみに2つの違いはギムレット...の方が湾曲した川の影響で土の温度が暖かかく、かたやブリッジ...は少し冷たいけど土が肥えてて栄養がある。2つのできあがるワインのタイプの差は意識しておこう(↑地図内)

Gimblett Gravels Wine Region

Bridge Pa Triangle Wine District – The Real Review

お祭りも人気だとか。

www.youtube.com

 

8 セントラル・ホークス・ベイ

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e)・ホークス・ベイの中でも南半分の地域。北半分より冷涼で石灰岩質土壌。

ここは雑でもいいかも。

 

尻すぼみですが内容が長すぎるので今回はここまで!

次回も各産地の解説を続けまっす。

 

[編集後記]

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まだ1次試験も先ですが続々と反乱軍の方が当店にお見えになっております。

上写真のS様は何も勉強しない状態でアプリや問題集をといて実力をはかってから学習するというスタイルをとられていて合格への最短距離だなと感じました。

下写真のS様はウチのブログの解説画像をスマホに保存されておられたのですが、その数にビックリ(; ・`д・´)!筆者として嬉しい限りです。

お二人とも引き続き勉強頑張って下さいね~。