さて、今回は ワインと料理のマリアージュ についてです。
ソムリエの方は2次のテイスティングの後に行われる論述に、ここ2年と同じであれば「○○のワインと合う料理を提案して下さい。」...って問題が出るかもしれません。
ワインエキスパートの方は「ウチらにはカンケーねーよ(; ・`д・´)/」と思われるかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。
それでは 最近続編が上映された イギリスのスパイ映画 キングスマン の食事のシーンをご覧下さい!
ちょっと聞き取りにくいですが、こんな会話をしています。
敵のボス
「チーズバーガー には 1945年の ラフィット だぜ!」
主人公のスパイの師匠 (味方)
「いや、それは古典的だ! プリンに トゥインキーズ※ と 1937年の ディケム を願いたい...」
...みたいな会話です。
あ、ちなみに トゥインキーズってのはアメリカで古くから人気のある こんなスポンジ菓子ね。
では、そろそろ本題に入りましょう!
もう、2次までこられているので、さんざん勉強されたでしょうが
ワインと料理のマリアージュのポイント は大きく3つです!
①味
②地方
③格 ← ★
とりあえず、この手の説明を求められた場合「3つ」って言い切るとカッコイイ気が...( `ー´) ウム
ジョークを解説するなんて高校の時の古典の授業以来の気がしますが(汗)、キングスマンの場合は3つ目の 格 を皮肉っていたわけですね。
日本だとピザポテトにマルゴーくらいでしょうか。「いや、グランカルビーならいけるんじゃね?」ってのはしつこいですね。
(ここまで ↑) お客様との会話の引き出しとして使っていいですよ~(笑)
で、今回はそこまで難しい話はしません。
なんとなく「個人的にそう考えている」って内容をお伝えします!
論述試験のコツ は 手を止めない 事!
とりあえず何でもいいので↓のような切り口をヒントに書いてみて下さい。
①料理の味で合わせる!
まず単純に、こんな感じかと。
ボディーで決める!
・軽い(薄い)ワイン に 軽い料理
ex カモ(鳥とかあっさりした肉) - ピノ・ノワール
・重い(濃い)ワイン に 重い料理
ex フォアグラ - 貴腐ワイン ←古典的な定番。ちょっと濃すぎる気も(笑)
昔、筆者のワイン教室の先生が「ピノ・ノワールにはカモです!」と口癖のようにおっしゃっておられたのですが、内心は筆者「カモの料理なんて日本人はパッと思いつかねーよ( 一一;)」って思ってました。
さておき、肉のあっさり感とベリー系ソースなんかの果実味をマッチさせるイメージ。(...としか書けないorz...)
とまぁ、筆者のカモ料理のように論述試験では 馴染みのある料理で言葉に詰まらないモノを選びましょう!
生半可な知識のものを書こうとすると2行で死ねますよ(; ・`д・´)!
テクスチャー(構造) で決める!
・シンプルなワイン に シンプルな料理
ex カルパッチョ - ソーヴィニヨン・ブラン
・複雑なワイン に 複雑な (≒ 味のする) 料理
ex ビーフシチュー - アリアーニコ(タウラージとか...) ※テキトーです。スンマセン
2つ目に 味の複雑さ を合わせろ!ってわけです。これって手の込んだ調理法の料理ってだけでなく 調理法はシンプルでも味自体が複雑 ってパターンもあると思うんです。
以前、グレイスワインさんのセミナーで「(個人的に)甲州に一番合うと思われる料理は何ですか?」と質問した事があるのですが、「鮎の塩焼き 」とおっしゃっておられたのが印象的です。
甲州、特に菱山なんかのミネラル感のあるものが、鮎の苦み・コク・塩味なんかと絶妙にマッチするんだそうで、実に日本的、かつ調理法はシンプルだけど味の複雑さのペアリングを表現した素晴らしいチョイスだと思いました。
(個人的に) 複雑な味のワインって特に白だと余韻にミネラル感や苦み・塩味が追いかけてくる感じがするのですが、きっとこの流れが鮎にピタッとハマるんでしょうね。一度試してみたい...(´_ゝ`)
あ、そうそう、5ch まとめサイトなんかで最近発見したのですが
からあげ ーマヨネーズを添えてー #文章の最後にーなんとかを添えてーと書くとフランス料理っぽくなる
— すいか (@suica215) 2012年1月26日
料理の最後に「- 〇〇を添えて」って書くと便利かも (-ω-)/
まぁ↑ネタとしても使いやすそうですが。
例えば、ユーカリ のニュアンスのあるオーストラリアのシラーズなんかがあったりしますが、「〇〇ステーキ - アスパラガスを添えて」なんて具合に、ステーキみたいなシンプルな料理にワインの植物っぽさのニュアンスを追加して複雑さを演出する ってのもアリかもしれません。
数年前、実際そういうペアリングをいただいた記憶が...。やはりコアラの国...( `ー´)
例外!
・真逆の味を組み合わせる
ex ポートワイン(甘) - ブルーチーズ スティルトン(英国製 - かなり塩辛い)
3:47~ 字幕をオンにすると分かり易いですよ~。
まぁ、実際に書くならチーズ単体でなくって「〇〇のブルーチーズを使った辛口チーズケーキ」とかって書き方がベターかもしれません。
さておき、この組み合わせってかアイデアって意外に多いんですよね~。
例えばワインと料理ではないですが、砂糖醤油 (おばあちゃんのぽたぽた焼き、〇〇の甘辛煮)とか、スコッチウイスキーの塩辛いピートの効いたウイスキーを甘いシェリー樽で熟成したもの、って感じで偶然か必然か人類の考えることって世界中でそんなに違わねーなーって気がしています( 一一;)
さておき、このアイデアのペアリングは
あまり奇抜なモノで攻め過ぎない!って事が大切です。
あくまで採点する方が理解できるようなものにしておきましょうね。
②地方で合わせる!
これに関してはさんざん1次の地方料理で悩まされた方も多いでしょう(´・ω・`)
実は筆者の祖父母は父方が金沢と母方が徳之島(沖縄の近く)ですが、南方出身の母方のおばあちゃんの料理がやたら やたら濃い!砂糖と油どっばー!って感じでした。
あ、ちなみに顏も濃くなるわけで、当方南方系のソース顔を自認しております!
まぁ、海外旅行に行けば分かる事ですが、暑い地域の料理は濃厚といいますか、おそらく生理的にそーゆーしっかりした料理を食べておかないと体がもたない!というのが核心でしょう。現場仕事の方が塩をなめるのと同じですね。
よって、暑い地域のブドウはキャノピーマネージメントで酸をキープしたい!なーんて方針で栽培されていない限りは...
キャノピーマネージメントってのも論述に出るかもね~。あ、寒い地域なら酸が出過ぎてマロラクティック発酵しない限りってのも...。
暖かい・日照量が多い
↓
糖度が上がる・果実味が出る!
↓
アルコール度数が上がる!
↓
しっかりしたワインになる!
= 濃厚な料理と相性が良くなる
...って流れです。逆も然り!
似たような事を考えている方がおられました。
で、ここでの実例として
ex 肉じゃが - マスカット・ベーリー・A
...を挙げておきます。
日本の優しい気候風土から生まれたMBAは、日本の優しい家庭料理「肉じゃが」に合ってくるわけです! 当然の帰結ですね。キリッ( `ー´)
③料理・ワイン の 格で合わせる!
で、最後にキングスマンで出てきた格です。
味だけで考えると別に絶対こうしなければいけないというルールはないのですが
どちらかというと ワインや料理に失礼がないように!というマナー といった方が正確でしょう(-ω-)/
高級フレンチのディナー に...だったり。
シェフがキレるかも。
ワインからのアプローチだと
ボルドーの5大シャトーに...だったら
すき焼き定食とかが良いかな。あ、最近は佐藤二郎にハマってます。
これだとワインを選んだ人に失礼ですね。
...って具合に 値段でとは言いませんが、それなりのモノに合わせて あげるようにしましょう!
で、ここでの実例としては
ex コック・オー・ヴァン - ブルゴーニュ地方の高級な赤
...を挙げておきます。
1次を通過した方なら料理名はOKなはずですね。
このペアリングはフォローアップセミナーで聞いただけです(笑) 受験者の中で、ってか資格保持者でもこれ食べた事ある人って何割くらいいるんだろう...( 一一;)
まとめ
...ってな感じです。
試験でも日常生活でも
「ワインと料理ってどうやって合わせるんですか?」
と聞かれることもあるでしょう!
そんな時にバシッと、ポイントは...
①味
②地方
③格
...の3つ だぜ( `ー´)ノ と答えてやりましょう!
簡単ですね(笑)
せんきゅー、キングスマン!
(おまけ)
昨夜も東京から読者の方がご来店下さり、いきなり試験と同じ内容にチャレンジして頂きました。やっぱ ワインテイスティングの基礎知識 この本いりますよね~(笑) 東京に戻られたら早速ご購入されるそうです。
次回は禁断の「ブドウ品種ごとによる回答事例」でもまとめてみようと考えています。